初恋レモン
誠実な…愛…。


俺はその話を聞いて
菜々の相手に俺がなりたいと、
心の片隅で思っていた。


それが無意識に行動に現われて、
気付けば俺は菜々の唇に自分の唇を重ねて
キスをしていた。


長いようで短いキス。


菜々は何も言わなかったけど、
ふわっと頬を赤く染めて微笑んでくれた。





日が沈み始めた頃


「またいつか…逢えるかな?」


ぽつりと菜々が呟いた声に俺は答えた。


「絶対…、逢えるよ。」


そういって自分の腕につけていた
ブレスレットを菜々に渡した。


「これ持っててくれたら、
絶対逢えるから…。」


菜々は俺のブレスレットを
大事そうに腕にはめてまた笑った。
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