初恋レモン
「そんな私は…。」


「学校で並んで歩く2人を見て、
私もそうなれたらいいなって
ずっと思ってたんだ。」


何もしていない。
そう思ったけど、
私と海人君を見て
そんな風に思ってくれてたなんて。
すっごい嬉しかった。


「…なれます!
だって2人とってもお似合いですもん!」


「確かに。でも、俺らには
敵わないですけどね。」


感動の場面に何故か闘志むき出しの
海人君が割って入って来て
私を背後から腕の中にすっぽりと収めた。


「ふーん、言ってくれるね?
お前らには負けないから。」


それに対抗した風間先輩も
麗華先輩を自分の胸に引き寄せた。


…なんだろうこの状況。


私と麗華先輩は目を合わせて
苦笑いしながらも、
内心、終始ドキドキだった。






こうして内容が濃い
初めての文化祭は幕を閉じた。
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