初恋レモン
「…菜々。」


神妙な面持ちのさくらちゃん。
何を言われるのだろうと
身構えていると


「どこが太ったのよ!
さっきお風呂入った時だって
お腹ぺったんこだったし
足だって十分細いから!
胸は…海人はそんなの気にしない!」


褒められてるのか
無理やりフォローしてくれてるのか…。
よく分からなかったけど、
さくらちゃんの次の言葉は
スッと胸に入って来た。


「ねぇ、菜々。一線を越える事で
見える景色もあるよ。
色んな感情があると思うけど、
好きな人同士が一歩踏み出して
悪い方に行くことはまずない。
まぁ、無理にとは言わないけど、
もし、菜々が海人に”触れたい”って
そう思う時が来たら、
その時は何も考えず、海人に任せれば
いいと思うよ。」
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