初恋レモン
海人君は私を見て
口をあんぐりと開けたまま
光輝君かたら来たという
メッセージを読んだ。


『俺たち帰るからあとよろしく。』


…へ!?


「わ、忘れ物取りに行っただけじゃないの?」


そう海人君に尋ねたと同じに
ポケットに入れておいた
私のスマホが震えた。


開くとそこには
さくらちゃんからのメッセージが1件。


『ごめんね菜々!
無理にとは言わないって言ったけど、
チャンスは作ってあげたくて!
進んでも進まなくても
2人の時間楽しんで!
健闘を祈る!』


この1通で、
みんなが本当に戻って来ないんだと
嫌でも分かった。


今いるリビングは
さっきまでの楽しい雰囲気とは違い
緊張感で包まれた。
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