初恋レモン
自分の声とは信じがたい
高い声が部屋に響き、
その度に海人君から
甘い言葉が返ってきた。


「菜々、可愛い。好きだよ。」


優しく触れ、何度もキスをした。


世の中の女の子は
こんなにも恥ずかしい思いを
してるんだと考えたら
本当にすごいなと思った。
だけど、それと同時に
さくらちゃんの言っていた
”景色”が見えた気がした。


愛しい。温かい。
色にしたら暖色系の感情。


言葉では言い表せないような、
身体中から好きが溢れる様な
そんな不思議な感覚。


一つになった瞬間、
海人君の事が
もっともっと好きになった。


「…痛い?」


知らない間に私の目からは
涙が零れていた。
でもこれは痛いからじゃない。


「ううん。痛くないよ。うれし涙。」
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