初恋レモン
教室に戻ったのは
お昼休みが終わる10分ほど前。


自分のクラスにたどり着くまでに
ものすごい視線を感じた気がするんだけど…
そんなに変かな!?


やっぱ、都会の人からしたら
無理して頑張ってるように
見えるのかな…?


心配でさくらちゃんに聞いてみても
にっこりと笑って『大丈夫』
としか言ってくれなかった。


本当に大丈夫なのか、
不安を抱えたまま教室に足を踏み入れた。


すると視線は一気に
私とさくらちゃんへと集まった。


「…え。川口さん?」


まだ名前を知らない女の子が
私を見て目を丸くしている。
その子だけじゃない。
他にも、クラスのほとんどが
同じ顔をしている。


…やっぱりおかしいのか。


ズンと肩を落として
分かりやすく落ち込んでいると
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