初恋レモン
「ちょっと菜々~!
遅刻するわよ~!」


下からお母さんの呼ぶ声がした。


時計に目を向けると
もう家を出ないといけない時間を
5分過ぎていた。


「わぁ~~~!遅刻する!
行ってきます!」


「人ごみに気を付けてね!!」


慌ただしく家を飛び出して、
まだ慣れない道を全速力で走った。


…のはいいんだけど。


駅、どっちだっけ…。


何度か確認したはずなのに
迷子になってしまった。


あいにく、私はまだスマホと言うものも
持っていなくて、
場所を確認する事すらできない。


もう間に合わないかも…。
そう思った時、
遠くで私と同じ制服を着ている
男の子を見付けた。


よかった…!


あの子に着いていけば
学校に行ける!
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