初恋レモン
「いいえ~。」
と言って去ろうとする麗華先輩を引き留めた。


「あの…。」


「ん?」


「図々しくて申し訳ないんですけど、
ここまで連れてきてもらえませんか…?」


さすがに3年生の教室に入る勇気はなかった。


麗華先輩はあっ!と言う顔をして
快く承諾してくれた。


教室に入り、風間先輩と
何か話している姿をドアの横から見ていると
こっちに気付いた風間先輩が
にっこりと笑って手を振ってきた。


それに応えるようにお辞儀をすると
わざわざこっちまで来てくれた。


「それじゃ、あとはごゆっくり。」


麗華先輩にお礼を言って
風間先輩と人気のない場所までやってきた。


「あの、朝からお呼び立てして
すみません。」
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