初恋レモン
「そんな気にしてないよ!
むしろ休み明け早々、菜々ちゃんに会えて
俺は嬉しいよ?」


典型的な王子様みたいなセリフが
とても似合っている。


こんな事を言われてしまえば、
断ることにさっきまで以上の
罪悪感が生まれて来たけど、
蔑ろにする方がよくないと
自分に言い聞かせて私は話し出した。


「あの、体育祭の事なんですけど、
お返事しに来ました。私は…」「ストップ。」


他に好きな人がいるから
付き合えません。


そう言おうとしたけど
風間先輩によって遮られてしまった。


「俺、考えといてって言ったよね?
答え出すには早いんじゃないかな?」


唇に人差し指を添えられた。


その行動に一瞬ドキッとしてしまった事、
不覚に思う。


でも、私の決心は固い。
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