初恋レモン
風間先輩から一歩後ろに下がって
距離を取った。


「ごめんなさい。
考える様な事じゃないんです。
私の中には、答えは最初から1つしかないから。」


…海人君しか見えないの。


心の中でそう付け足し、頭を下げた。



しばらくしても
風間先輩からは何も返事が無くて
顔を上げると
前髪をかきあげて「はぁ」と
大きくため息をついていた。


「え?」


「菜々ちゃん、振るにしても
もうちょっと優しい言い方ない?」


呆れたように笑った。


…ダメ、だったかな?


「でも、よーく分かった。
菜々ちゃんは彼の事が大好きなんだね。」


ふっと笑ってこう続けた。


「まぁ、そういう真っ直ぐなところを
好きになったんだけどね。
ちゃんと応えてくれてありがとう。
じゃ、彼とお幸せにね。」
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