冬の魔法



その日から、放課後に2人で出かけるようになった。気がつけば、私は美影のことが好きになっていた。そして、美影は、私を「氷翠」と呼ぶようになった。

「ねぇ、氷翠…!この本、面白そうじゃない?」

本屋へ買い物に行ったり

「…氷翠!見て、取れたよ」

近くのゲームセンターに行ったり

つまらなかった時間は、楽しい時間へと変わっていく。しかし、幸せな時間は長くは続かない。すぐに別れの時間に変わる。

「また、明日ね~!」

美影と別れ、家に帰ると、またいつもの生活に戻る。そんな生活が嫌で仕方がない。私の秘密を美影に言おうと決心をし、私は机に勉強道具を広げた。
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