冬の魔法
翌日の放課後、図書館には私と美影以外誰も居らず、静まりかえっている。私は、私の秘密を打ち明けることにした。
「美影…私ね、天才って言われてるでしょ?」
「え…?あ、うん」
「私、小学生の頃から…ずっと、親に勉強させられてたんだ。平日の放課後も…休日も全部。小学生の頃はね、これが普通だと思っていた。でも、そうじゃなかった。勉強したくなくて、親に『もう、勉強したくない!』って言ったことあるんだ。そしたら、『そんなこと言う奴は、うちの子じゃない!出てけ!!それが嫌なら謝って勉強しろ』って言われてさ」
私がこんなに喋ることに驚いているのか、美影は目を丸くしている。そんな美影を構うことなく、私は喋り続ける。
「それ以来、私は必死で勉強した。色んな魔法も練習した。…私は親に愛されていなかったんだね」
「氷翠…辛かったんだね。大丈夫…僕がいるから」