雨に溺れる。
別れ
「もういいっ!ママのばか!!」


……
………


その日、るなはある相談をしてきたのだった。

「るな、ダメって言ったでしょ?」
「…だって、友達はみんなケータイ持ってるもん。持ってないのるなだけだもん。」
ぷくっと頬を膨らませ、
ふてくされたように言う。
「そんなわけないでしょう。持ってない子もいるはずよ。大体小学4年生がケータイだなんて、必要ないでしょう?」
私がそう言えば、キッと目つきを変えて
こちらを睨むように見てくる。
「必要あるもん!これじゃ友達に仲間はずれにされちゃうから嫌なの!持ってない子なんて私くらいだよ!!」
「…何を言ってもダメよ。中学生までは我慢しなさい。中学生になったらケータイ買ってあげるから。」
「やだ!!だって小学6年生のお姉ちゃんはスマホ持ってたもん!なら6年生になったらスマホ買ってよ!!」
るながこんなにしつこくするのは初めてだった。
「6年生でスマホなんてダメに決まってるでしょう?よそはよそ、うちはうち。諦めなさい。いい加減にしないと買ってあげないわよ?」
次の瞬間、ばしっと頭に何かが当たった。
「最低っ!!ばかっ、あほっ!!!」
いかにも小学生な悪口を放ちながら、
周りにある物を手当り次第に投げてきたのだ。
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