楠社長のお気に入り
び、び、びっくりしたぁ。心臓に…悪すぎだって…。耳…熱い…。


「あっ、それと幹」


「なんですか?」


「お前何、俺より先にまゆと連絡先交換してんの?」


「別に交換はしてません。私の連絡先を三月様にお渡ししただけです。どっかのバカが暴走したら困るじゃないですか」


「へぇ。どっかのバカって誰のことだろうな」


「誰のことでしょう?」


二人とも笑顔なのに怖いんだけど…。でも社長の零さんにバカって言えるなんて、幹さんすごいなぁ。それくらい絆があるってことだよね。


「ふふっ…」


「どうかした?まゆ」


「いえ。社長に向かってバカって言う秘書もいるんだなぁって…ふふふっ」


「うん。やっぱり笑顔がいい。可愛いな」


ーっ。か、可愛いって…。しかもまた頭撫でた。


「社長、三月様が困ってますので。それから、社長にバカと言うのは私くらいですよ」


「俺と幹は中学からの友人なんだ」


「社長としては尊敬していますが、プライベートに関してはどうしようもないところがありますからね、この人は」


どうしようもないって…。


「あの、あまり幹さんにご迷惑おかけしたらダメですよ零さん。幹さん可哀想…」


すると零さんはニヤッと笑って腰に手を回してきた。


「だったらまゆがダメな俺をまともにしてくれる?」


「え…いや…私は…」


ピピピピピピッ







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