楠社長のお気に入り
☆初デートと災難と…!?
「三月様、こちらのアパートでよろしいでしょうか?」


幹さんに声をかけられ顔をあげると、目の前には私の住むアパート。


もう着いちゃった…。


「はい。ここで大丈夫です。ありがとうございました。それじゃ…」


ドアを開け車を降りようとするけど、零さんに手を握られたままで動けない。不思議に思い名前を呼ぶと、私に近づき


「会食終わったら、連絡していいかな?」


と耳元で囁かれた。そんなこと聞かなくてもいいのに…。顔がまた熱くなる。私は頷いて、手が離れた瞬間急いで車を降り、頭を下げ、去っていく車が見えなくなるまで見つめていた。


「ふぅ…、疲れたぁ」


部屋に入って、ベッドに倒れ混む。時計を見るとまだ18時を過ぎたところ。通常ならまだ仕事中だけど、今日は仕事以上に疲れた…。


「私…零さんの彼女になったんだよね…」


やっぱりデートってするのかな?大人のデートってどんな所行くのかな?あっ…でも零さん忙しいからデートとか難しいかも…。でもでも時間ができた時とかー。


頭の中で零さんとのデートを想像している内に私は眠ってしまった。そして目が覚めたときには、外は明るくなっていて、急いでLINEを見ると、零さんから何個かメッセージがきてたけど、私が寝てるとわかったのか最後におやすみと送られていた。


「私…いきなりやらかした…」


連絡していい?って零さん言ってたのに、爆睡とか最低な彼女なんじゃ…。


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