楠社長のお気に入り
「って言われたらあんたどうするわけ?ここを出てどっか行く?」


「え…」


「行くとこもねぇのに、女嫌いって言ってる奴に住む許可もらいたいとかバカかよ。普通なら100%断られるに決まってんだろ」


そんなのわかってるよ。だからといって幹さんの気持ちを無視できない。


「私は…幹さんが私といたくないって言うなら出ていくつもりです。だから、零さん抜きで幹さんの気持ちを知りたい」


多分幹さんは、零さんが許可したなら勝手にすればいいって思ってる。でもそれは幹さんの本当の気持ちじゃない。


「まじでバカじゃねぇの。俺の気持ちとか無視して、大人しく零に甘えてればいいのに。たくっ。もちろん嫌に決まってる。この家だけが女のいない安心できる空間なんだから。でも…まぁ…仕方ないから許可してやるよ。俺の気持ちをちゃんと聞こうとしてくれたのは…嬉しかったし…」


え…許可してくれた?


「あ、ありがとうございます!あの、極力近づかないようにしますので…」


「そんなの当たり前。まぁ、このソファー3人分空けてくれんなら隣座っていいけど。それなら大丈夫だと思うし」


今幹さんが座ってるのは5人用のソファー。ってことは、端に座るなら良いってことか。




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