楠社長のお気に入り
「そうなんだよ。このまま今日は帰宅して大丈夫だからこの通り!」


「いいですよ。それじゃあこれは責任を持って秘書さんに届けてきます」


「ありがとうまゆちゃん!タイムカードは通常の上がり時間にしておくからね」


えっ!ラッキー!!店長の頼みを受けるのも悪くないかも。


「いいなぁ。まゆ。でも気をつけて行くんだよ」


「うん。ありがとう。それじゃあお先に失礼しまーす!」


そうだ。せっかく連絡先もらったんだし、幹さんに連絡しておこう。いきなり行ってタイミング悪かったら嫌だもんね。


休憩室に入り、すぐに幹さんに連絡をしたけど出ない。うーん。とりあえず会社には向かった方がいいよね。きっと気づいたら連絡くれると思うし。


裏口から出て、店長から貰った地図を見ながら楠コンツェルンに向かった。お店から電車で5駅と意外と近い場所にあるみたい。本社って行くの初めてだけど、どんな所なんだろ?遊びに行くわけじゃないけど、なんか楽しみ!


『次は~〇〇。〇〇です』


あっ、着いた。


ブー…ブー…ブー…


電車を降りたタイミングでスマホが震えた。もしかして幹さんかも!


「もしもし三月です」


『三月様ご連絡して下さったのに申し訳ありません!』


「い、いえ。店長から書類を届けて欲しいと頼まれまして、今最寄り駅に着いたので、もう少しでそちらに着くと思います」


『それなら大丈夫ですよ。先ほど店長からお電話を頂いて、うちのバカ…いえ、社長と改札まで迎えに来てますから』


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