楠社長のお気に入り
えっ…、改札って。


急いで階段を上ると、改札前に一際目立つイケメン二人が立っていた。てか、なんか女の人達が遠巻きにすごい見てるんだけど…。あの中に私行くの!?無理じゃない!!??と、とりあえず改札は出とこ…。


ピッとICカードをタッチして改札を出ると、すぐに社長と目があってしまった。


「三月さんお疲れ様。ごめんね。わざわざ届けてもらって」


「三月様ありがとうございます。お陰で助かりました」


「いえ。それはいいんですが…」


やっぱりそうだよね。うぅ…女の人達の視線が痛い…。これ絶対あの子なんなの?とか言われてるよ…。


「ふぅ…。ここじゃあれだし、戻るぞ」


「はい」


二人とも仕事の途中だもんね。私も帰ろうかな。


「あっ、それじゃあ私はこれで…」


「何言ってんの?三月さんも行くんだよ」


「え?行くってどこに…」


「社長室」


は、はいーーーーーーー!?!?


「いや、ちょっと待って下さい!書類渡しましたし、私はもう…」


「美味しいお茶菓子があるんですよ。三月様これは社長からのお礼と言うことでお願い致します」


そ、そんな社長からのお礼とか言われたら断れないじゃん…。


「ず、ずるいです…。その言い方…」


「申し訳ございません」


困ったように笑う幹さんを見たらもっと断れない。ほんと幹さんずるい。


そして私は二人の後に着いていった。



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