恋を失い愛を知りました。
高校の仲の良かった友達も何人も来てくれたが
さすが園城寺グループ。
圧倒的な人数におされていた。
披露宴はパーティー会場のように広く
いわゆる写真のスライドショーとか
ワイワイとできるものではなかったけど
今日までに習得した英会話もなんとか使いこなした
『それでは最後になりましたが
新郎からみなさまにご挨拶を申し上げます。』
そんな司会の人の合図とともに
洸斗は席を立ちマイクを握った
「本日はご多用の中、
私たち二人のためにお集まりいただきましてありがとうございます。
このように盛大な披露宴ができたのも、
ひとえにみなさまのおかげと心より感謝申し上げます。」
私も頭を下げた。
「私たちの出会いは
大手グループとして当たり前にもされている
世にいう“政略結婚”と言われるものでした。
お互いのことを知らないまま結婚が決まり、
初めは様々な葛藤がありました。
ですが、いつしか互いに惹かれあい
愛すべき存在になっていきました。
今私は、悠未さんのことを沢山知って
お互いに思い合いこの日を迎えられたこと
大変嬉しく思います。
未熟な二人ですが、二人で支え合い、暖かい家庭を作っていきたいと思っています。
最後になりましたが、
ご列席の皆さま方のご健康とご多幸をお祈りいたしまして、ご挨拶に代えさせて頂きます。
本日はまことにありがとうございました」
拍手がいつまでも鳴り止まず
私たちの思いが参列者の方々に伝わったのだと
安堵した。
『それではこれをもちまして
園城寺家、相沢家ご両家の結婚披露宴をおひらきにさせて頂きます』
こうして無事式を終えた。