恋を失い愛を知りました。






気づけば朝、



最近は寝つきも悪けりゃ寝起きも悪い。




リビングに近づくとごちゃごちゃと音がする。






ガチャっ




「お早うございます。

あっ洸斗さん。
今日はお早いんですね」




こんな日に限って朝早く帰る。




「あぁ。」



久しぶりのヒロトさんの姿。
お帰りなさいとか言えたらいいのに
嫌味しか出てこない。




広い部屋に広いベッド
一人で眠れない夜を過ごしていた毎日

お父さんともシュンタとも会えなくて寂しかった。

その腹いせみたいなもん。





馬鹿みたい。




これじゃ、めんどくさい女じゃない。


だめだ、こんなの契約違反。



平常心でいなくっちゃ。




「「ごちそうさまでした」」




ご飯を食べながら美味しいねとか

そんな会話もなく、お互いに食事を終えた。





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