恋を失い愛を知りました。
こんな時までシュンタに甘えてしまう自分は
どこまでも弱い。
ヒロトさんを見た時自然と流れ落ちた涙は
少しは私のことを思ってくれてるのではという
期待からだったのだろうか。
結婚を契約した日から私達は別々の時間を
過ごしているというのに。
何に期待をしていたのだろうか。
ただ私の心の中には
ヒロトさんに対する興味。
干渉するなと言った割には
気にならないのかと聞いてくるどこまでもずるい人
そんな人に少なからず興味が湧いていた。
「シュンタ…ごめんね。帰る」
もう結婚してしまったんだから
向き合わなきゃ。
「おう。気をつけて帰ろ」
そう言い玄関まで来るシュンタ。
きっと家までじゃないのはシュンタなりの気遣い。
久しぶりにシュンタに抱きしめられた感覚は
ドキドキではなく安心感だった