恋を失い愛を知りました。
「洸斗が行ったことない宿」
絞り出した答えはそれだった。
だって前に女の人と泊まった宿は嫌だから。
私とだけの思い出を作って欲しい。
「行ったことないとこねぇ…」
そうだよね。
運転してる人からすれば
行ったことないとこに行く方が難しい。
「すみません。どこでもいいです」
これも本音。
二人っきりなんて初めてだから
今この時間が私にとってはとっても幸せ
片手でドアに肘をつき、考えながら信号を待つ。
こんなイケメンだからいけないのだろうか。
全ての動作が様になりかっこいいと思ってしまう。
「じゃああれだなっ携帯で宿見ろ」
「はい」