恋を失い愛を知りました。
って言ったはいいものの
「ホテルみなみ風」
「あぁー箱根ね
それは貸切風呂がいいんだよ
綾ちゃんとね」
「熱海つきの花旅館」
「それはミナちゃんと」
「草津ホテルヴィレッジ」
「それは涼ちゃんと」
「もういいです。」
「え?」
「あー。聞くんじゃなかった
これじゃあ、旅の始まりが最悪じゃない」
あっ…言ってしまった。
「悠未?」
驚く洸斗
「ごめんなさい」
全てが口に出てしまった
「いや、ごめん。
怒らせるつもりは…」
顔を見るとニヤニヤしてる洸斗。
これは確実に確信犯。
「もうどこでもいいです」
確信犯だと知るとなおさらイライラが収まらない。
「ちょ、悠未ー!悪かったって」
「お仕事に女の子どちらも忙しそうで何よりです」
「わかった。
じゃあとっておきのとこ案内してあげる」
私の嫌味もさらっとかわされたが
終始険悪なムードで車中を過ごした。