外見9割、性格1割。

築「相変わらずでけぇ声だな。」

まだソファに座りながら
テレビを見ていた鬼男は
一瞬だけ私の方を見た。

愛琉「盗み聞きしないでよ。」

築「こっちの方が迷惑してるわ。
聞きたくなくても聞こえてくんだよ。」

愛琉「いいでしょ、別に。
幸せな時くらい喜んだって。」

ああ、私は本当に単純だ。
もう既に鬼男の事なんて
どうでも良くなってる。

愛琉「あ、そうだ。
補習ってさ私服で行ってもいいの?」

築「アホか。ダメに決まってんだろ。」

愛琉「ちぇっ。せっかく新しく
買ったワンピ着ていけると思ったのに。
明日の補習休もうかな。」

築「ダメだ、行け。
女子更衣室の鍵開けてやるから
着替えて行けばいいだろ。」

愛琉「本当?やったー!
鬼男のくせにいい所あんじゃん。」

築「鬼男は余計だ。
補習サボられるよりは
協力した方がマシだ。」

その日はいつもよりも
早めに寝て明日の為の
鋭気を養った。
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