外見9割、性格1割。
美園さんが眠る病室の階で
エレベーターを降りると
見知らぬ女性が鬼男の
体を突き飛ばしていた。
美園母「あなたの顔なんて見たくない!
あなたの顔を見るとイライラするの!
娘をこんな風にしておいて
よくも私たちに会いに来られるわね!
迷惑です!もう2度と来ないで!」
状況は分からなくても分かる。
あの人は美園さんのお母さんだ。
でも、何で...。
何で鬼男が責められるの?
鬼男は、自分の人生を後回しにしてでも
彼女の事を大切に想ってるのに
何であんな風に言われなくちゃならないの...
言い返したい気持ちをぐっと堪えた。
ここで私が何かを言ったとしても
鬼男に鬱陶しがられる事は目に見えてる。
美園さんのお母さんは
私の横を通り過ぎると
エレベーターに乗り込んで行った。