敏腕室長の恋愛遍歴~私と結婚しませんか~
***
ホテルからタクシーに乗り込み室長が行き先を告げたけど、大阪の地理に疎い私にはどこへ向かうのかはわからないまま。
途中、行き過ぎる景色を見て室長があれは何、これは何とふわっと説明してくれたけどそれ以外はほとんど会話はしなかった。
会話がなかった、ではなく会話をしなかった、が正しい。話さずにいることを気まずいと感じないのが不思議だ。
今まで付き合った人とは会話が続くようにとか盛り上がるようにとか、色々気を使っていたのが嘘のよう。
「ここだ。君は好きそうだろ?」
室長はタクシーを降り、茫然とする私に自信ありげにそう言った。
まず目の前に飛び込んできたのは大きな観覧車。
遊園地かとも思ったけどそうではなく、水族館がメインのテーマパークらしい。
「はい……! 好き……です……!」
目の前の景色に心を奪われたまま返事をすると、室長がクスッと笑う声が聞こえた。
傾き始めた陽を浴びた観覧車はキラキラしていて、私の目には他の人が見るより数倍は美しく見えていると思う。
ホテルからタクシーに乗り込み室長が行き先を告げたけど、大阪の地理に疎い私にはどこへ向かうのかはわからないまま。
途中、行き過ぎる景色を見て室長があれは何、これは何とふわっと説明してくれたけどそれ以外はほとんど会話はしなかった。
会話がなかった、ではなく会話をしなかった、が正しい。話さずにいることを気まずいと感じないのが不思議だ。
今まで付き合った人とは会話が続くようにとか盛り上がるようにとか、色々気を使っていたのが嘘のよう。
「ここだ。君は好きそうだろ?」
室長はタクシーを降り、茫然とする私に自信ありげにそう言った。
まず目の前に飛び込んできたのは大きな観覧車。
遊園地かとも思ったけどそうではなく、水族館がメインのテーマパークらしい。
「はい……! 好き……です……!」
目の前の景色に心を奪われたまま返事をすると、室長がクスッと笑う声が聞こえた。
傾き始めた陽を浴びた観覧車はキラキラしていて、私の目には他の人が見るより数倍は美しく見えていると思う。