敏腕室長の恋愛遍歴~私と結婚しませんか~
「……室長、本気なんですか?」
「何が」
「いや、だからその……、私と……婚約とか……」
「……もしかして話ってそれ?」
「はい……そうです……」
私がこう答えると、室長は少し不服そうな顔をする。
だけど本気なのかからかってるのか、こんな風にぐいぐい来られると本気なのかもしれないと思いたくなる。
「だって婚約するのに誰でもいいなんて絶対変ですもん。室長ならどんな人でも喜んで婚約しますよ。なのに私となんて……」
「それは昨日も言った。俺は君ならいい。まだ君『が』いい、とまで強くは言えないが、君を可愛いと思ったのはあのバーで会った時が初めてじゃない。もっと前から可愛いと思ってた」
「え……?」
室長の膝の上にいる状態では、横を向くとすぐに端正な顔が視界に入るので直視するのは難しい。
だけど室長の言葉に驚いて、つい目を向けてしまうと私を見つめる綺麗な瞳と視線がぶつかってしまい、心拍数が急上昇する。