揺れる、オトメ。
「原口、ビビってないで行くぞ」

「えぇ…」

しぶしぶ、高瀬の後ろをついて歩く多未。
まるで金魚のフンのよう。金魚にくっついて泳ぐフン。


…まさか、先程ひかり!って叫んだばかりの相手、高瀬くんと関わりが生まれるとは…、不思議。


不思議だけど、ねえ、いいの?

あの先生のような人は、中学には普通にいるの?

はぁ。こわいなぁ。この高瀬くん、私のこと守ってくれるのかしら?お世話係だもんね、頼っちゃお。


「立ってるのと座るのどっちがいい?」

高瀬くんの席に来て早速、意味のわからん質問がきた。

「は?どういう意味?」

「ちっ…、紙の書き方ここで教えてやるから、座ってがいいか立ってがいいか…ってこと。」


は、そんなのもちろん。

「座る。」

「…じゃあ、座れ。」


遠慮なく座らせてもらうよ。あ、隣の子、橋下さんだ。中3だと横顔でもかわいい…


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