揺れる、オトメ。

そんなこんなで1時間目の授業を終えるチャイム。


試合終了だ、やっと。さっさと自分の席に戻る。


「原口、さっきのなんだけど」

「あ？」

なんとなく疲れて機嫌の悪い私に何の用？



高瀬がすぐに多未の元へやって来た。

多未は、結局プリントが全く進んでないことに腹を立てているふりをしながら、心の中では多未自身、いまだに友人だと信じている、半田 亜美、のことを考えていた。あの子は違うのかな…？友達じゃないのかな…。


「さっきのファン発言、あれさ…」

「悪い、今それ邪魔だから。あっち行って。」



邪魔者は近寄らないで、今、忙しいの。
なんだ、それかよ。マジうざい。

私は今、亜美・半田さん、のことを考えるのに忙しいんだ。





「悪いけど…」


多未が顔をあげたときには、高瀬はもういなかった。


なんだよ。ちょっと気にしてやったのに、チッ。