ダメダメ40歳、愛してくれますか?
私の行きつけの居酒屋【誇り】の店長柳田駿吾(やなぎだしゅんご)は、俺様が一番だと思っている完全なドS。口さえ開けば、私を40の馬鹿女と罵ってくる。
黙っていれば、筋肉質の頼りになるいい男なのに、無性に腹が立つ。



「ねぇ、おでんちょうだい。大根と玉子」


「は?お前、今日はお金あるのか?」
なんの躊躇いもなく当たり前のように聞く。


「ああ、ない。ないけど…働いて返す。ほら、皿洗いとか大変でしょ?」


「お前、正気か?いつまで、こんな生活続けるんだよ」

店長はふと、私の足元の荷物に目が止まる。

「おい、お前ついに追い出されたか?お気の毒に。哀れすぎる」


店長は呆れ果てながら、私に
「サービスだ」と、おでんを差し出す。



「ありがとう。やっぱりなんだかんだ店長優しい」

そう、私はどれだけ罵られても、このサービスがあるからこの店にほぼ毎日通う。




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