愛を私の音色に乗せて。〜夢中でワガママな俺の愛〜
それに、パーカーで分からなかったけど手首に包帯まで巻かれてる
…見るからに痛々しい。
「ねぇ、本当どうしたの?
紫音から話してくれるの待ってたけど、こんな状態じゃ…」
何があったんだよ……こんなになるまでなんで言わなかったんだ?
「紫音?」
「…………。」
顔をうつ向けたままこっちを向かない
そっと頬を包んで顔を上げると、涙が目に溜まっていた。
「えっ…ど、どっか痛い?」
首は振るけど、喋ってくれない…
「この怪我どうしたの?」
「…………。」
こっちが質問すると黙ってしまう…
紫音は昔から泣きそうな時は黙ってしまう。話すと涙が止まらなくなるって。
「紫音、泣くの我慢しなくていいんだよ?
俺がいるんだし。
でも、何があったのか教えてほしい…」
そう言うと緊張の糸が切れたのか、堪えていた涙が溢れ出した
そして、ようやく話をしてくれた
「……今日………階段から落ちたの…」