愛を私の音色に乗せて。〜夢中でワガママな俺の愛〜
「…ねえねぇ、やっぱりあの子じゃない?」
「嘘だ〜。」
「いやいや、声だってそのまんまだし、
顔も髪の毛の長さも一緒だもん!」
「だからって本人ってことあるー?
この高校にあんな凄い子居たなんて聞いたことないけど?」
……。
「やっぱり、あの子が『麗美梨』じゃない?!」
「確かに似てるね…声かける?」
「え、無理!間違ってたら恥ずいじゃん!」
………。
朝登校してから教室にたどり着くまでにものすごい視線とひそひそ話を浴びてきた…
教室のドアを開けて中に入っても
『麗美梨』とか、
『やっぱり伊藤さんじゃない?』
とか…とにかく注目を浴びてしまっている。
その原因と言えば、
昨日から始まった新ドラマ『2人記念日』のためである
予告とかでちょくちょく出てたりはしたんだけど、
声がしっかり放送されると、やっぱり気づかれるなぁ…
大野さんにも
「絶対に話題になっちゃうから頑張ってね」
って言われてたから覚悟してきたけど、
…想像以上だった。
「…しぃ。おはよう…
やっぱりこうなったね……」
コソコソっと話しかけにきてくれてはるちゃん
「おはよう……
そんなに分かるかな…?」
「…かなりねぇ…
そりゃあんたかなりの美人だし目に焼きつくわよ……」
「び、美人…?!私が、?
それはないよ…」
「はぁ………」
な、なんかため息つかれちゃってるけど、、
「まぁいいわ。しぃは鈍感なままで。
あ、先生来た!」
「じゃあまた後でね」