愛を私の音色に乗せて。〜夢中でワガママな俺の愛〜







「どこが痛い?」





「…いろいろ」





「いろいろって何だよ!取り敢えず擦り傷消毒すんぞ」





保健室の先生は出張らしく、黒崎先生が手当てをしてくれるらしい






「あ…もしかして落ちた時手で支えちゃった?」





「え?…あぁそうかもです…」




顔から落ちそうだったから、とっさに手が出ちゃうよね





「手首、腫れてるな…痛い?」





「いったい…!」




先生がそっと触れただけなのに…何でこんな痛いのさ…






「ごめんごめん!しばらく左手動かさない方がいいよこれ」




左手…か……




どうしよう、スーパーライブの練習出来ないよ…




右利きだから日常生活は大丈夫だけど、ギターとピアノは弾けない…







私が悩んでいる間に先生は包帯をしてくれていた





「頭は?打ってない?」





「大丈夫です…」





「良かった〜。

あとカバン、肩紐ちぎれてるけど落ちた時?」




「あ…そ、そうだと思います…」



嘘ですごめんなさい。





「これじゃあ使えないな…

今日は俺のリュック貸すから。しばらく使ってていいよ?」




「え、でも……」


そんなの悪いよ…





「いいからいいから。

というより、歩ける?」





「はい、大丈夫だと思います」





ぐねった訳ではないから歩けるけど、痛いことに変わりはないね…





「本当に?

俺が送っていけたらいいんだけど…これから会議があって…」





「そ、そんなの全然いいですよ?!1人で帰れますし…」




流石にそこまでしてもらうのは申し訳ない…!






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