ボクは初恋をまだ、知らない。
ボクは、告白を受けた時、

何か間違った選択をしたんだろうか?

薫があれ以来、
あまり喋ってくれない…。

同じクラスなのに、寂しくて。
さよちゃんと喋ってる時もついつい薫の事が気になってしまう…。

「千影くん?」

「えっ!?あ、ごめん…」

休み時間、またさよちゃんの言葉で我に返った。

「薫さんとあれから、あまり話してないよね。」

「……うん。」

さよちゃんなりに、気づいていたようだ。
意外とこの子もちゃんと見てるんだ。

ボクの元気な顔を見てないさよちゃんが、頭をぽんぽんとしてきた。

「さよのせい、だよね。ごめんね。」

「そんな事、ない…」

さよちゃんは、申し訳なさそうな顔をして
無理矢理笑顔を作ってるのが分かった。

こんな時、なんて言葉をかけたらいいかわからないボクは…無力だ。

ぎゅぅっと、胸の奥が不甲斐なさの痛みを感じてしまう。

「そうだ!千影くんっ!」

暗い雰囲気になりそうなのをかき消すように、
さよちゃんがニコニコしながら言った。

「あのね、さよのお願いを
1個聞いてくれないかな?」

「……うん?」




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