ボクは初恋をまだ、知らない。
♢ボクとバーミリオン
高3の冬。
ボクは母さんと、志望の服飾専門学校に見学へ行った。
「ここがデザイン科です。」
「うわぁー凄い!デザイン画の宝庫だ!」
案内してくれた事務員の倉橋さんは、
ニコニコしていて、ボクの素直なリアクションに喜んでくれてるようだ。
「…親御さんから少し見せてもらいましたが、貴方は個性的なデザイン画を描くみたいですね。」
倉橋さんは細い目でボクに微笑みかけた。
「はい、まぁ…。ボク自身もまだまだ半人前だしここで色々学びたいと思ってます。」
「それは頼もしい。月村さんのデザイン画を初めて見た時、個性の色とかある人を思い出して懐かしくなったわ。是非入学を待ってます」
"ある人"ってゆう言葉が気になったが、
ボクは既に歓迎されてるような気がして気持ちが高ぶる。
その後、倉橋さんと歩いていると、
ある部屋のドアからびゅうっと風が吹き抜けた。
「さむ…。ウェディング…ドレス?」
その部屋のベージュのカーテンが靡いて、ふわりと窓の淵に沿った時、
トルソーに飾られた純白のウェディングドレスが、姿を現した…。
「……綺麗だ。」
眺めていると日に透けて、
一瞬切なくなるようなセピア色に染まる。
「…綺麗でしょ。この部屋はね、
"時の止まった部屋"って呼ばれてるわ。」
倉橋さんが、なにやら懐かしそうにそう言った。
「…時の、止まった部屋?」
「…通ってたら理由はその内解るかもね。
さぁ、次に行くわよ。」
倉橋さんは少し寂しそうな笑顔を残して、ボクの案内を続行した…。
「はい、お願いします!」
ボク達が向かう先へすれ違うように、
誰かがその部屋へ入っていった…。
ボクは母さんと、志望の服飾専門学校に見学へ行った。
「ここがデザイン科です。」
「うわぁー凄い!デザイン画の宝庫だ!」
案内してくれた事務員の倉橋さんは、
ニコニコしていて、ボクの素直なリアクションに喜んでくれてるようだ。
「…親御さんから少し見せてもらいましたが、貴方は個性的なデザイン画を描くみたいですね。」
倉橋さんは細い目でボクに微笑みかけた。
「はい、まぁ…。ボク自身もまだまだ半人前だしここで色々学びたいと思ってます。」
「それは頼もしい。月村さんのデザイン画を初めて見た時、個性の色とかある人を思い出して懐かしくなったわ。是非入学を待ってます」
"ある人"ってゆう言葉が気になったが、
ボクは既に歓迎されてるような気がして気持ちが高ぶる。
その後、倉橋さんと歩いていると、
ある部屋のドアからびゅうっと風が吹き抜けた。
「さむ…。ウェディング…ドレス?」
その部屋のベージュのカーテンが靡いて、ふわりと窓の淵に沿った時、
トルソーに飾られた純白のウェディングドレスが、姿を現した…。
「……綺麗だ。」
眺めていると日に透けて、
一瞬切なくなるようなセピア色に染まる。
「…綺麗でしょ。この部屋はね、
"時の止まった部屋"って呼ばれてるわ。」
倉橋さんが、なにやら懐かしそうにそう言った。
「…時の、止まった部屋?」
「…通ってたら理由はその内解るかもね。
さぁ、次に行くわよ。」
倉橋さんは少し寂しそうな笑顔を残して、ボクの案内を続行した…。
「はい、お願いします!」
ボク達が向かう先へすれ違うように、
誰かがその部屋へ入っていった…。