ボクは初恋をまだ、知らない。
入学して三日経ったある日の夕方。
るなを見送った後、
デザイン科の教室でボクは1人、
目の前にあるデザイン画と向き合っていた。
「んーなぁんか、違うんだよなぁ。」
入学早々の課題が出た。
[これからの未来]をテーマにした作品を作るためのデザイン画を提出しなきゃならない。
ボクはある程度のイメージは出来ていたが、
イマイチ腑に落ちる所まで至らず、悩んでいた。
「スカートの色味が気に入らない。
何かもっと、こうインパクトのある色にしたいんだけどなぁ。」
1人になり、集中するとこうも独り言が増えるのはボクの癖のひとつだ。
目を瞑り、開けてはデザイン画の第一印象と向き合っていた。
「うー。どうしよう…提出明後日なのに。」
項垂れていると、教室のドアが開いた。
「あれ?まだ残っていたのか。」
「太陽先生!こんにちは」
まさかの太陽先生だった。あの集会の翌日に顔を出したかと思いきや、数時間経てばいつの間にか消えている。
そんな事を繰り返す教師なんて本当に教師らしくない人だ。
「…月村、千景か。」
太陽先生は、綺麗な二重でボクをじっと見つめながら、教壇の引き出しを探っている。
「ボクの名前、覚えてくれてるんですね。」
「一応、講師だからな。ざっと生徒達の名前と顔は一致してる…はずだ。」
全身黒の服装に身を固めている彼。
オレンジ色の髪が一際目立っている。
その時、ボクは閃いた。
「あーっ!!それだぁー!!」
「なんだ!?」
教室中に響いたボクの叫び声に太陽先生はビクッと驚いて、ボクを不思議そうな目で見た。
「太陽先生の髪色!何て色ですか?!」
「え?…バーミリオンだな。」
太陽先生は、戸惑いつつも答えてくれた。
るなを見送った後、
デザイン科の教室でボクは1人、
目の前にあるデザイン画と向き合っていた。
「んーなぁんか、違うんだよなぁ。」
入学早々の課題が出た。
[これからの未来]をテーマにした作品を作るためのデザイン画を提出しなきゃならない。
ボクはある程度のイメージは出来ていたが、
イマイチ腑に落ちる所まで至らず、悩んでいた。
「スカートの色味が気に入らない。
何かもっと、こうインパクトのある色にしたいんだけどなぁ。」
1人になり、集中するとこうも独り言が増えるのはボクの癖のひとつだ。
目を瞑り、開けてはデザイン画の第一印象と向き合っていた。
「うー。どうしよう…提出明後日なのに。」
項垂れていると、教室のドアが開いた。
「あれ?まだ残っていたのか。」
「太陽先生!こんにちは」
まさかの太陽先生だった。あの集会の翌日に顔を出したかと思いきや、数時間経てばいつの間にか消えている。
そんな事を繰り返す教師なんて本当に教師らしくない人だ。
「…月村、千景か。」
太陽先生は、綺麗な二重でボクをじっと見つめながら、教壇の引き出しを探っている。
「ボクの名前、覚えてくれてるんですね。」
「一応、講師だからな。ざっと生徒達の名前と顔は一致してる…はずだ。」
全身黒の服装に身を固めている彼。
オレンジ色の髪が一際目立っている。
その時、ボクは閃いた。
「あーっ!!それだぁー!!」
「なんだ!?」
教室中に響いたボクの叫び声に太陽先生はビクッと驚いて、ボクを不思議そうな目で見た。
「太陽先生の髪色!何て色ですか?!」
「え?…バーミリオンだな。」
太陽先生は、戸惑いつつも答えてくれた。