ボクは初恋をまだ、知らない。
「凄いね、るな。尊敬するよ。
ボクはまだ、初恋さえも知らないから。」

「えっ!?そうなの?」

るなのお箸から卵焼きが落ちそうになったが、慌てて口でキャッチしていた。

「うん。…だからかも。人の恋愛話好きな理由。
知らないから、知りたい。
恋愛してる人達が、どんな感情抱いたりするのかとか…どうゆう気持ちが恋なのか、とかね。」

庭を見渡せば、何気にカップルらしき男女がいるのが分かった。あの人達は、どんな事がきっかけで恋が芽生えたのだろう?

そう想像したりするだけでも楽しかったりもする。

「恋って、いつの間にか落ちてたりもするよ。」

るなの言葉に、ボクは惹き付けられた。

「いつの間にか…?」

「うんっ!初めは気になってて、いつの間にかその気持ちが育っていって、ある日ふと気づいたりね!」

「……育つ、かぁ。」

ボクもいつか、そんな風に語る日が来るのだろうか?

「……つっきーはピュアだから、
もしかしたら初めはなかなか気づかないかもしれないね。」

るなはそう言って笑った。
春風がるなのピンクの髪の隙間を通っていった。

「…そうゆう、ものでもあるかぁ。」

「ふふっ!学校には男子もいるし、
もしかしたらここで初恋できるかもよー?
だから何かあったらいつでもるなに相談してね」

「ありがとう。るなと友達になれて良かった」

2人顔を見合って笑った。


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