ボクは初恋をまだ、知らない。
「これからの未来」
そんなテーマのデザイン画一つ一つを、
ある日の夕方職員室で先生達が目を通していた。
ただ一人、机に肘をついて居眠りをする講師有り。
「太陽先生…!…沖!
沖 太陽!こら起きろー!」
「うっっ!??」
デザイン科講師の1人の浅村先生が、
太陽先生に膝カックンならぬ肘カックンをくらわせた。
「ビックリした…浅村か。なんだ?」
太陽先生は、眠そうに目を細めて浅村先生を見るが、いまいち焦点が合わない。
「なんだ?ぢゃないぞ、こら。
まだ採点途中だろ?」
浅村先生は、太陽先生の顔にデザイン画の束を押し付けた。
「そうだった…あまりにもつまんなすぎて眠くなったんだった。」
教師らしからぬその発言に、浅村先生は小さくため息をついた。
「そう言わずに続けろよ。
お前もういくつだよ?」
「27だ、忘れていた。さて、続けるか。」
とぼけつつも目を覚まそうと大きく伸びをした太陽先生は、デザイン画に改めて目を通していく。
「…ったく、やっと教師の仕事復帰したと思えば集会には出ねぇしやる気はねぇし。
しっかりしろよな!もう、充分休暇は取っただろう?」
やいややいやと浅村先生の説教は続く。
黙って太陽先生はそれを聞いていたが、他のデザイン画と避けていた千景のデザイン画をボーッと眺めている。
「浅村先生は、これ見てどう思う?」
「それって、月村千景のか。
沖先生の髪色とそっくりだな。」
「それはそうだが、そこぢゃなくてさ。」
「…鮮やかな色を使いつつも、ここまで優しい印象にできるのは才能だな。
デザインも個性的だし、何処か中性的だ。」
浅村先生は、教師としての目を研ぎ澄まし、千景のデザイン画を評価した。
「さすが浅村。」
太陽先生が褒めると、浅村先生は口元だけ笑った。
そんなテーマのデザイン画一つ一つを、
ある日の夕方職員室で先生達が目を通していた。
ただ一人、机に肘をついて居眠りをする講師有り。
「太陽先生…!…沖!
沖 太陽!こら起きろー!」
「うっっ!??」
デザイン科講師の1人の浅村先生が、
太陽先生に膝カックンならぬ肘カックンをくらわせた。
「ビックリした…浅村か。なんだ?」
太陽先生は、眠そうに目を細めて浅村先生を見るが、いまいち焦点が合わない。
「なんだ?ぢゃないぞ、こら。
まだ採点途中だろ?」
浅村先生は、太陽先生の顔にデザイン画の束を押し付けた。
「そうだった…あまりにもつまんなすぎて眠くなったんだった。」
教師らしからぬその発言に、浅村先生は小さくため息をついた。
「そう言わずに続けろよ。
お前もういくつだよ?」
「27だ、忘れていた。さて、続けるか。」
とぼけつつも目を覚まそうと大きく伸びをした太陽先生は、デザイン画に改めて目を通していく。
「…ったく、やっと教師の仕事復帰したと思えば集会には出ねぇしやる気はねぇし。
しっかりしろよな!もう、充分休暇は取っただろう?」
やいややいやと浅村先生の説教は続く。
黙って太陽先生はそれを聞いていたが、他のデザイン画と避けていた千景のデザイン画をボーッと眺めている。
「浅村先生は、これ見てどう思う?」
「それって、月村千景のか。
沖先生の髪色とそっくりだな。」
「それはそうだが、そこぢゃなくてさ。」
「…鮮やかな色を使いつつも、ここまで優しい印象にできるのは才能だな。
デザインも個性的だし、何処か中性的だ。」
浅村先生は、教師としての目を研ぎ澄まし、千景のデザイン画を評価した。
「さすが浅村。」
太陽先生が褒めると、浅村先生は口元だけ笑った。