クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。
はじめまして、星音学園
『そこの学校の理事長がパパの知り合いで、ゆるの面倒を見てくれるって』
用意してもらったタクシーから降り、パパからもらったメモを握りしめ。
先日のパパの言葉を思い出す。
ふと顔を上げると、立派なレンガの柱が両端に立つ校門がドンと見えた。
右側の柱レンガに掲げられた立派な学校銘板。
『星音学園』
「ついた……」
フワッと風が吹いて、桃色の花びらが舞い上がる。
ここが、今日から私が過ごす学校。
お金持ちの子たちばかりが通うところだって話だけは聞いたことあるけれど、本当にこんなところあるんだなぁ。
門の先に見える校舎は、それはそれはお城のような作りで。
私みたいな凡人以下の人間が入るような世界じゃない────って、
今までの私なら絶対立ち入らない場所だけど。
今回ばかりはそうもいかない。
これからここで、頑張って働かなくちゃ!
私は、よしっと声に出して、星音学園の門をくぐった。