クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。
「たこ焼きのことも、俺のケーキのことも。ちゃんとお礼言ってなかったし。改めて、本当にありがとう」
「いえ、そんなっ」
大したことをしていない。
私自身、楽しい思いをしているし。
初めは不安ばかりだったけど、3人や明人さんが私を受け入れてくれていることがすごく嬉しい。
「それから、ワンピースにメイク、すっごい似合ってたよ。早凪が落ち着かないのもわかんないでもない。ゆるちゃんはそのままでもすごい魅力的だからさ」
「えっ」
驚きで思うように声が出なくて、固まった私をよそに、明人さんは「ちょっと貯蔵庫に行ってくる」と行ってから、厨房を後にした。
『そのままでも、すごい魅力的』って……。
きっとお世辞だってわかってるつもりではいるけれど。
メイクして早凪くんに『必要ない』って言われた時は正直落ち込んだけれど、早凪くんも『そのままでいい』って言ってくれたし。
こんななにもない平凡な私を、みんな、受け入れてくれてるのかな……。