クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。
とてつもなく広い校舎を一人で歩くのはまだ少し緊張するけれど、最近は、まだこの学校の知らないところたくさん知りたいなって思うようになってきた。
お昼休み、今度は自分から、円に、校舎の他のところも案内してくれないかお願いしてみよう。
円ならきっと、快く案内してくれそうだ。
円以外に、まだちゃんと話せる友達がいないから、今はすぐにでも円に会いたい。
そう思っていると、あっという間に教室の前に着いた。
この瞬間、まだまだ緊張しちゃうな。
ざわざわとしている教室は、なんだかいつもより増して賑やかな気がして。
私は少し深呼吸してから、教室のドアに手をかけた。
ガラッ
「は?!なにこれ、特別寮のメイド?」
っ?!
クラスメイトのそんな声がして、身体がビクッとする。
今、特別寮の、メイドって言った?
聞き間違い、そうであってほしいと思うけど、私が教室に入った瞬間静まる教室に、心臓がバクンと音を鳴らした。