クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。
紹介され、舞台上に立つひとりの人物に、思わず目を開く。
金髪の肩ほどまである髪を後ろで一つに縛り、センターで分けた長めの前髪。
そんなあまり見ない印象的な髪型にすごくびっくりするけれど、それよりびっくりするほど、整っている端正な顔は、引き込まれそうになる程。
え、に、日本人、じゃないよね?
ハーフ?
これは会場の女の子もざわざわするはずだ。
お金持ちであんなにイケメンって、幸せ者だなぁ。
「あーあー、みんな聞こえてる?」
長髪イケメンさんがそう、声を出した瞬間。
あちこちから、黄色い歓声が響いた。
「今日も絶好調だなぁ、日比野」
私の隣に座る担任の先生もボソッとつぶやいた。
今日もってことは、こういうのよくあるんだなぁ。