クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。
「えっとー、とりあえず、今年もたくさん遊びまーす!な、みんな!」
彼が声のボリュームを上げてそう言うと、またも歓声が沸き起こる。
え??
なにこれ。
確か、これって生徒会長代表挨拶だよね?
今まで学校に通っててこんな自由でテキトーな挨拶をする生徒会長なんて見たことないよ。
「あの、先生……」
「ああ見えて常に学年トップの成績なんだよ」
あまりの衝撃に我慢できなくなって先生に声をかけてしまったけど、まるで私の聞きたいことが全部わかっているかのように、そう答えてくれた。
学年……トップ……。
「ま、生徒会の仕事なんて一切やらないんだけどね。圧倒的票数だったからしょうがない」
先生はそういいながら、会場に合わせるように拍手をした。