クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。
始業式が終わり、先生とこれから過ごす教室のドアの前に立つ。
この学校はクラス替えがないって言っていたから、これからはずっとこのクラスということになる。
緊張するな〜。
高校2年になる今まで、転校の経験なんて一回もないもん。
「ま、そんな固くならずに」
先生はそう言って私の肩を優しく叩くと、先に教室のドアを開けて入っていった。
「おはようございます。みんな進級おめでとう。そして、突然だが、今年から新しい仲間が加わることになった。篠原〜」
教卓の方でみんなに挨拶をしていた先生が私の名前を呼んでから、こちらを見て合図をした。
緊張でぎこちない歩き方をしながら、教室へと入り、先生の横に立つ。
静かにジーッとこちらを見るクラスの子達は、やっぱり見た目からして、お金持ちオーラがバシバシ伝わってくる。