クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。


バチッと先生と目が合う。
まるで、前の学校の話はするなと言われているかのような。


あっ、そうか。ここは普通の学校じゃない。
迂闊に凡人だということをしゃべれば、なんでそんなやつがこんなところにいるんだと騒がれてしまう可能性だってある。


注意しなきゃだよね。


「篠原の席は窓側の後ろから2番目だ」


先生にそう言われ、私は言われた通りその席へと向かう。
ん?私の後ろの席も空席だ。


なんだか違和感。転校生が席と席の間に座るなんて。一番後ろとか余った席に座るよう促されるもんだとばかり。


─────ガラッ


机の横にカバンをかけて席に腰かけた瞬間、後ろの教室のドアが開く音がした。


「おぉ、宇垣。来てたのか」


ドアの方で突っ立っている男子生徒に先生が声をかけた。宇垣くん……。


真っ白な肌に、サラサラの黒髪。
スッと通った鼻筋に、綺麗な顎のライン。


あれ──────。
この人、どっかで────。



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