クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。
「あと、私がクラスの子に責められてた時、円、すごく辛そうだったから」
「えっ……」
「その時はわからなかったんだけど、今ならちょっとわかるっていうか」
きっと、円は、自分のせいで私が責められてたこと、心のどこかでは、私に対しての罪悪感が少しはあったんじゃないかって。
「なにそのおめでたい脳みそ」
「うっ、ごめん……」
でも、私の勘違いだったらしい。
「ほんとムカつく、ムカつくムカつくムカつく!」
「へっ、ちょ、まっ!」
円は突然声を荒げると、私の頬をつねった。
ちょっと痛いけど、それでも、うんと優しいと思った。
「病人だかなんだか知らないけど容赦しないから」
そんなことを言いながら、ここに来てくれたところとか。
本当は、きっと、誰よりも……。
「やはひいね、まほかは」
『優しいね、円は』
そういうと、彼女は耳を赤く染めながら、目をそらして口を開いた。
「ほんとムカつくよ。宇垣くんがあんたを選ぶの、納得しちゃうから」