クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。


「はい。明人さんのおかげです。明人さんが、円のこと呼んでくれたから」


「いや。実は、円ちゃんからだよ」


「え?」


明人さんのセリフに頭の上にハテナが浮かぶ。


「今日出席確認の時、ゆるちゃんが風邪で休みだって聞いて、円ちゃんわざわざ隣のクラスの翼に、ゆるの状態聞いてきたんだって」


「えっ、そうなんですか?!」


思っても見なかったことを聞いてびっくりする。


まさか、円が自分から……。


「早凪には聞きにくかったんだろうね。そりゃ当たり前か」


明人さんはそう言って「じゃあ俺は片付けしたら帰るから、なんかあったらいつでも連絡して」と言いながら降りていった。


円が一人で隣のクラスの翼くんに話しかけに行く姿を想像したらすごく愛おしくなって。


好きだなって気持ちが溢れた。


< 192 / 322 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop