クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。
暗闇でふたりきり


風邪を引いた日から、月日はあっという間で。


星音学園のシステムやクラスメイトとの接し方、メイドの仕事にもだいぶ慣れてきて。


期末テストも無事終わり、あとは夏休みを待つだけの7月中旬。


「早凪くん、そろそろ仕事に戻らなきゃ」


「あともう少し。俺のノートのおかげで赤点免れたと言っても過言じゃないんだから、ご褒美に」


「うぅ、そんなこと言ったって……」


今は、屋上の早凪くん特等席のハンモックで、彼に捕まって身動きが取れなくなってる最中。


後ろから私を抱きしめて完全に固定してる早凪くんは一向に解放してくれる気配がない。


「だってゆる、最近全然触らしてくれないもん。学校でもずっと門枝さんといるんだもん」


「なにそれ。早凪くんの抱き枕になる許可なんて一度も出した覚えないもん」


そうだそうだ。
いつも自分の都合でひっついてきて。
たまにはガツンと言わなくちゃ。


「へ〜そんなこと言うんだ?」


わざとらしく耳もとで囁かれたセリフに、ビクッとする。


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