クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。
外からのブォォーと強い風の音と、ガタガタと窓が揺れる音に、少しだけ不安になる。
台風の音が苦手じゃない人なんていないだろう。
「ゆるちゃん怖い?」
ソファに座っていたら、隣に瑛斗さんが座ってきて私の肩に手を回した。
「……あっ、いや、えっと怖いってほどではないんですけど……不安にはなりますね」
「瑛斗どいて」
「あっ、ちょ、早凪っ」
突然、瑛斗さんの反対側に早凪くんが座ると、瑛斗さんから私を引き離すように腕が伸びてきて、彼の匂いに包まれた。
「ゆるはここ。俺が先に見つけたんだから、早い者勝ち」
そう言ってギュッと抱きしめる力を強めた早凪くんに、
「も〜!ゆるちゃんものじゃないんだからね〜!」
と翼くんが頬を膨らませた。