クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。


「えっと……私、テストの復習してこようかな」


この空気をどうにかしようと話を変えた。


どうしても、私を私物化したい早凪くんは、2人に注意されるとなにかとピリつくし。


その中にいるのはどうも気まずい。


ここでジッとしてても、早凪くんに捕まってしまうだけだし。


「じゃあ、俺も一緒に行く」


抱きしめる手を緩めたと思った彼は、今度は私の手首を捕まえてそう言った。


「えっ……」


「解説する人がいないと、復習の意味ないんじゃないの?」


「……うっ、」


確かに、星音のテスト、私が前に通っていた学校に比べて明らかにレベルが高かった。


正直、早凪くんのノートや瑛斗さんたちのわかりやすい教え方のおかげで何とかテストは赤点を免れることことができたけど。


学力自体は、まだまだ全然で。


「ちゃんと教えてあげるよ?」


その言葉に甘えることにして、私はコクンと頷いた。


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